ダイヤ鉄K

関東に住んでいて、ダイヤに詳しい鉄道ファンです。

小田急線の快速急行を増発させることはできるのか

日中時間帯も含めていっつも混雑している小田急線の快速急行。こんなに大きな需要があるのだから、快速急行を増発することはできないのでしょうか。今回は小田急線のダイヤについて考えてみます。

小田急線の最新通勤型車両5000系、新百合ヶ丘駅にて

 

 

現在のダイヤの状況

現在の日中時間帯の小田急線のダイヤは、快速急行・急行・各駅停車が毎時6本、特急が3本の計21本の運転です。快速急行は小田原行きと藤沢行きで半分ずつ、急行は唐木田行きと千代田線からの向ヶ丘遊園行きが半分ずつです。なお急行は昨年のダイヤ改正で減便され、相模大野と小田原を結ぶ短い6両の急行も毎時3本走っています。

新百合ヶ丘駅快速急行と急行が接続をとることもある。

 

何行きの快速急行を増やすのか

快速急行の混雑を解消するために本数を増やすとして、何行きを増便するのでしょうか。一つは唐木田行き、もう一つは小田原方面が考えられます。まずは唐木田行きについてみていきましょう。現在唐木田と新宿を結ぶ急行が毎時3本あり、それを快速急行に格上げするという形になります。ただし挙げられる問題点として、唐木田からの快速急行は他の快速急行より需要が少ないということです。多摩線はそもそも短くて大きな駅も多摩センターや永山などしかありません。多摩線小田原線に合流するのは新百合ヶ丘駅で、新百合ヶ丘や登戸からの乗客を乗せることはできますが町田や相模大野からの乗客を乗せることはできません。町田は乗降客数ベースで小田急の中で二番目に大きい駅であり、そこを通らないのは本来の目的から外れてしまうかもしれません。(まだ先の話ですが多摩線が延伸したとすると、都心から遠い駅からの速達性を上げるために快速急行が設定されるかもしれません)。

次に小田原方面の快速急行に関して考えてみましょう。本数が増えとても便利になるとは思いますが、会社側として困る部分が出てきます。今あえて小田原行きとは書かず小田原方面と書きました。以前は小田原線に、快速急行と急行を含めて6本走っていました。それが急行は新松田までしかいかなくなって、それが昨年に新松田~小田原は各駅に種別変更し行き先も町田までと、都心まで行かなくなってしまいました。こういった流れを逆行する形での小田原行きの快速急行の設定は、会社側として難しいと思われます。2022のダイヤ改正によって、小田原線の急行と新松田~小田原間の各駅停車の運用が一体化され運用数の減少が行われました。それにより小田急の車両保有数も減少しています。この流れを転換して快速急行を増発するには、車両の増備をしなければなりません。コロナも明け電車の利用はだいぶ戻ってきましたが、財務上の観点から難しいかもしれません。

 

まとめ

快速急行の混雑を解消するという目的の快速急行の増便ですが、運用上メリットをもたらすことはなく、このようなダイヤ改正がされることはないかもしれません。しかし快速急行に混雑が集中しているのは事実です。10年近く前まで、快速急行は登戸を通過していました。登戸駅の乗降客数は小田急の中で5位と、とても利用者が多いです。南武線の乗換駅であることも影響しているでしょう。快速急行が登戸を通過していた時期は、登戸駅のユーザーは急行を使うことで上下分離を達成していました。しかし現在、急行が再優等種別でそれに乗る人が多い駅は向ケ丘遊園・成城学園前・経堂です。経堂駅を出発すればそこそこ埋まっている状況なので、やはり何とかして快速急行を増発させなければならないのかもしれません。

 

このブログを気に入ってくれた方は、以下のリンクをクリックしていただけると嬉しいです。

www.tetsudo.com