ダイヤ鉄K

関東に住んでいて、ダイヤに詳しい鉄道ファンです。

山手線がまた減便されました

少し遅くなりましたが、2024年3月のダイヤ改正にて、山手線がまた少し減便されました。これまで平日の日中は5分間隔、休日の平日は4分間隔であったのが、休日も午前中は5分間隔になりました。簡単に述べるとこうなるのですが、実は細かいところが全然違います。休日のダイヤを、詳しくみていきます。

山手線のE235系(代々木駅にて)

 

 

 

 

外回りのダイヤ

外回りに関してはとても単純です。午前中は5分間隔、午後になると大崎駅始発の列車が設定され列車が増えていきます。具体的には、11時台後半・12時台前半・12時台後半・13時台前半に一本ずつ列車が増えていくので、4運用追加されることになります。その後夕方ラッシュ時間帯に向けては、1運用しか追加されません。休日なので、夕方ラッシュと言ってもすごく混むわけではないのでしょう。

 

内回りのダイヤ

内回りのダイヤは、外回りと比べて難しいです。なぜかというと、内回りには、池袋始発があるからです。早朝の時間を除くと、外回りは基本的に大崎始発となっているのですが、内回りは池袋始発もあります。よってどちらもを考慮しなければなりません。ちなみにですが紙のJR時刻表JTB時刻表では始発と終電しか記載されないため、この点が余計に複雑に感じてしまいます(笑)。話を戻して、内回りは、午前中からほぼ4分間隔で走っています。「ほぼ」と言ったのは、5分間隔が続くところもあるのですが、9時台は15本走っているため、平均すると4分間隔ということになります。9時台後半に池袋始発で1運用追加され、10時台前半に大崎始発で1運用が追加されます。それ以降は毎時15本か16本となっています。なんで本数が違うかというと、単純に時間調整がうまくいかなかったのでしょう。基本的には4分間隔なのですが、たまに3分で電車がくるタイミングがあります。計算すると、約3.8分間隔でした。4分間隔だと思っておいて大丈夫でしょう。そして16時からは本数が減っていきます。

 

外回りと内回りの本数の違い

今までの話を簡単に整理しながら、外回りと内回りで本数を比べていきます。午前中に5分間隔になるのは外回りの方であるので、内回りの方が本数が多いことになります。一方16時台、外回りは本数が増えるのに対して内回りは本数が減るので、外回りの方が本数が多いことになります。山手線は環状運転なのにもかかわらず、本数が違うことに驚きました。需要に合わせたダイヤになったのでしょう。最近JR東日本はコスト削減の一環として減便も行っています。以前の山手線は日中は3分20秒間隔、つまり10分に3本、毎時18本運転されるということが当たり前だったということを覚えています。本数を削減しようとした結果、需要に合わせたダイヤになったのだと思われます。

 

 

 

一方で混雑の状況は…

コロナにより山手線が減便されましたが、コロナが明けても増発は行われておりません。たしかに午前中はかなり空いているイメージがありますが、この前筆者が16時台に乗った時は、すごく混んでいました。東京には忙しい人がたくさん住んでいるので、もっと増発することが、日本の鉄道の便利さの象徴としても大切だと筆者は思います。今のJR東を見る限りこのような理由で増発することが決定することはないとは思うのですが、だとしても山手線は増発されるべきではないでしょうか。

 

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鉄道コムの山手線情報

鉄道博物館 E235系シミュレーター 展示(2024年3月20日~) - 鉄道コム

山手線 Suicaのペンギンラッピングトレイン 運転(2024年3月17日~) - 鉄道コム

JR東 プラレールスタンプラリー(2024年4月5日~) - 鉄道コム

E233系の置き換えラッシュにはどう対応するのか?

現在首都圏で一番多く走っている車両はE233系。ですがこの車両も、置き換えの時期がいつかはやってきます。その置き換えのために、2040年代に現在のE233系と同数の新型車両が製造される、と考えている人は少ないでしょう。コロナが明けはしましたが少子高齢化もあり、JR東日本はコストカットを進めています。そんな中で大量に車両を新造することはしないでしょう。ではどうやってE233系の置き換えラッシュに対応するのか、考えていきたいと思います。

※すべて筆者の予想であり、結果的に事実と異なるものも多数存在すると思います。ご了承ください。

E233系の中で一番最初にデビューした、中央線用の0番台(代々木駅にて)

 

 

 

 

E233系の概要

E233系は2006年に営業運転を開始した、通勤型車両の201系203系205系209系近郊型車両の211系の置き換え用として主に製造された車両です。現在は中央線系統・京浜東北根岸線常磐線各駅停車上野東京ライン湘南新宿ライン系統・京葉線横浜線埼京線南武線で活躍しています。2006年から2015年に製造され、従来通り30年間使うと考えると、置き換え時期は2040年代です。E233系の在籍数は3000両以上に及び、JRグループでも最多となっています。この量の置き換えを2040年代に行うのかというと、疑問が残るのです。

E233系の中で最も在籍数が多い、1000番台(鶴見駅にて)

JR東日本の変化

コロナによる乗客数の減少、現在は回復してきましたが、少子高齢化や人口減少に伴い、鉄道を利用する人は減少すると考えられています。金銭的な面から、以前のように新車を大量に投入するわけにはいななくなりました。以前はまず都心に新型車両を導入し、もともといた車両を地方に転属させていくというやり方がとられていました。JR東日本の車両はおおむね15年程度で機器更新を迎えるので、この機器更新のタイミングに合わせて転属させるという流れになります。そして、2回目の機器更新は行わずに廃車する、よって30年程度で廃車されるという流れが一般的でした。しかし房総地区や相模線、宇都宮地区にE131系が導入され、地方にも地方用の新型車両を導入するという方針に変更したと考えられると、今のE233系を転属させる路線が減ってしまいます。転属にもコストはかかることから、一つの路線で一つの車両を長く使うという方針に変更したのでしょう。

 

置き換えラッシュをなくす

一つの路線で一つの車両を長く使うという風にしても、置き換えラッシュという問題には対応できません。E233系を30年ではなく40年程度使うということにしても、今度は2050年代に置き換えラッシュがきてしまいます。それではあまり意味がありません。よって、使用状況をみながら適宜判断していく、悪く言えば判断を先延ばししていくということになります。高速走行をしたり、海の近くを走るという理由での塩害が激しかったりする路線は機器更新2回目のタイミングで廃車、そうでない列車は機器更新3回目のタイミングで廃車にするのだろうと筆者は考えました。事実として、現在の車両は旧型と比べてすごく大きな進化があるのかというと言えないので、新車をたくさん導入するメリットは減ってきています。よって車両の導入計画が以前と比べて消極的なるのは自然かと思われます。

では実際に何番台の車両が延命されるのでしょうか。筆者が予想するには、1000番台・2000番台・6000番台・7000番台・8000番台かなと思いました。これらの5つの番台の累計車両数は約1800両です。全体の半分より多い数のE233系が延命されるというわけです。残りのE233系は、廃車か、状態が良ければ、他路線へ転属されるでしょう。武蔵野線仙石線、高崎地区や長野地区が候補となりそうです。

 

 

 

まとめ

3000両以上も在籍しているE233系。もう置き換えの話をしてしまうのは早すぎなのかもしれませんが、それくらい車両計画は未来のことまで考える必要があります。このことを考えると、現在のJR東日本は計画変更がたくさん行われているため、大丈夫なのかなと不安に思ってしまう人も多いでしょう。文中でも述べましたが、どんどん新車を導入するメリットは減ってきています。となるとどうしても判断を後回ししてその時の車両の状態を基に新車導入を決定することにはなります。一方未来のことまで考えた車両の導入計画が必要不可欠であり、このことを、現在のJR東日本の幹部の人に期待したいと思います。

 

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相鉄都心直通の時短効果を徹底検証! 開業1周年で便利になったのか?

相鉄東急直線は、2024年3月18日、開業1周年を迎えます。これまで都心に行くには横浜駅を経由する必要がありましたが、直通する路線が開業したことで、乗り換えなしに、また所要時間を短縮して都心に向かうことができるようになりました。相鉄にとって「悲願」と言えることが達成したのです。その都心直通の効果はどれくらいなのでしょうか。

JR線へ直通している相鉄の列車(鶴見駅にて)



 

調査範囲

調べるダイヤは2024年3月のダイヤとし、各主要駅からの所要時間を調べていきます。どこの区間を調べるとより正確な時間が出てくるのだろうと思いましたが、JR直通線は新宿まで、東京方面に乗り換える場合は東京駅まで、東急線に直通する場合は渋谷まで、都営三田線に直通する場合は大手町駅まで、東京メトロ南北線に直通する場合は永田町駅までを調査範囲としました。また通勤時間帯、朝ラッシュ時の上りのダイヤを基にしました。

 

西谷駅から東京都心

西谷~新宿 直通線:43分 横浜経由:53分

西谷~東京 直通線:41分 横浜経由:45分

西谷~渋谷 直通線:41分 横浜経由:52分

西谷~大手町 直通線:58分 横浜経由:54分

西谷~永田町 直通線:53分 横浜経由:58分

 

西谷からの時間短縮効果は、おおむね5分~10分程度でした。渋谷や新宿、池袋などの副都心方面には10分程度の短縮が、品川や東京(ここでは上野は除く)の都心へは5分程度の短縮がされていました。西谷から二俣川区間は、相鉄本線いずみ野線どちらもが走行するため本数が非常に多く、直通線を使うにあたって非常に便利になっています。行き先がたくさんあると、どうしても同じ行き先の電車の本数は少なくなってしまいますが、この区間相鉄線を使うにあたって一番便利と言えるのかもしれません。

 

 

 

海老名駅から東京都心

海老名~新宿 直通線:1時間6分 小田急線:53分

海老名~東京 直通線:1時間8分 横浜経由:1時間7分

海老名~渋谷 直通線:1時間1分 小田急線と井の頭線:57分

海老名~大手町 直通線:1時間25分 横浜経由:1時間17分

海老名~永田町 直通線:1時間14分 横浜経由:1時間22分

 

海老名から都心へは、小田急線がとても強い。代々木上原で千代田線に対面乗り換えができるため、この点も強いのです。一方で相鉄の都心直通は、乗り換えなしでいろいろなところに行けるというのがメリットでしょう。海老名駅は始発であるため、ゆっくりであっても乗り換えなしで座って通勤できるのであれば相鉄線を選ぶ人も多いのだと思います。

 

湘南台から東京都心

湘南台~新宿 直通線:1時間8分(直通線だけど乗り換えあり) 小田急線:1時間2分

湘南台~東京 直通線:1時間10分 横浜経由:1時間3分

湘南台~渋谷 直通線:1時間8分 戸塚経由:59分

湘南台~大手町 直通線:1時間18分 戸塚経由:1時間4分

湘南台~永田町 直通線:1時間21分 戸塚経由:1時間9分

 

湘南台から都心へも、先ほどと同様に小田急線がかなり強いです。一方戸塚経由の所要時間がとても短く、戸塚経由とは、横浜市営地下鉄ブルーラインで戸塚まで行き、そこから上野東京ラインまたは湘南新宿ラインに乗るルートです。この二つの路線は、スピードがとても速いんですよね。湘南新宿ラインはスピードが速いといっても少し遠回りしているのですが、上野東京ラインは他の路線と比べてもかなり速いです。これは、西谷から都心への所要時間を見たときに副都心側の方が都心直通の効果が強かった理由にもなります。いくら東京方面に直通している列車がないとはいえ、武蔵小杉で3分後の列車に乗ればいいので、大きく所要時間の差は生まれないはずです。それでも所要時間の差が生まれている、それは上野東京ラインの速度が相対的にも早いことに起因しているのだと考えられます。

 

まとめ

いろいろなパターンで見てきましたが、相鉄都心直通の時短効果を一言でまとめるのなら、「おおむね5分から10分程度の時間短縮効果がある」ということです。海老名駅の乗り換えに必要な時間は6分となっていますが、あの人混みの中乗り換えるのは大変です。所要時間が長くなってしまう区間であっても、筆者は都心直通線を使い乗り換えなしで、または対面乗り換えを使った通勤をするだろうと思いました。

 

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錦糸町駅での、快速線から緩行線への乗り換えの待ち時間はどれくらいなのか

中央総武緩行線総武快速線、各駅に止まるか主要駅のみに止まるかという違いもありますが、錦糸町駅で枝分かれするため行き先が違うということも挙げられます。緩行線錦糸町駅を出た後、両国、浅草橋、秋葉原お茶の水と止まり中央線の緩行線となりますが、一方快速線錦糸町の後、馬喰町、新日本橋、東京と止まり、半数程度の列車は横須賀線へ直通します。千葉駅などから新宿方面に行く際、中央総武緩行線にずっと乗っていれば着くわけですが、それでは時間がかかりすぎます。御茶ノ水駅では対面乗り換えが可能なので便利ですが、錦糸町駅では対面乗り換えはできません。錦糸町駅にて緩行線快速線の接続は、うまくいっているのでしょうか。調べてみました。

調査の前提として、錦糸町駅での乗り換えにかかる時間は3分とし、2024年の休日ダイヤを基にしました。赤色で示したものは、乗り換えている間または快速線が駅に着いたと同時に緩行線が発車してしまい次の列車に乗る必要がある時間を、緑色は、2分で乗り換えることができれば一本早い列車に乗れることを表しています。平日ダイヤでの調査は、近日中に公開予定です。

総武快速線E235系市川駅にて)

 

快速線錦糸町着 → 緩行線錦糸町

5:15着 → 5:31発

5:36着 → 5:36発

6:08着 → 6:20発

6:23着 → 6:29発

6:44着 → 6:53発

6:55着 → 6:59発

7:03着 → 7:10発

7:14着 → 7:20発

7:22着 → 7:25発

7:27着 → 7:31発

7:32着 → 735発

7:38着 → 7:45発

7:45着 → 7:49発

7:50着 → 7:54発

7:55着 → 7:58発

8:00着 → 8:03発

8:06着 → 8:13発

8:13着 → 8:18発

8:18着 → 823発

8:22着 → 8:28発

8:26着 → 8:34発

8:33着 → 8:38発

8:40着 → 8:46発

8:50着 → 8:56発

8:59着 → 9:06発

9:07着 → 9:11発

9:19着 → 9:26発

9:31着 → 9:36発

9:40着 → 9:46発

9:54着 → 10:01発

10:00着 → 10:06発

10:05着 → 10:11発

10:16着 → 10:21発

10:24着 → 10:31発

10:34着 → 10:41発

10:45着 → 10:51発

10:50着 → 10:56発

11:00着 → 11:06発

11:14着 → 11:21発

11:23着 → 11:26発

11:29着 → 11:36発

11:33着 → 11:36発

11:44着 → 11:51発

11:56着 → 12:01発

12:14着 → 12:21発

12:23着 → 12:26発

12:33着 → 12:36発

12:44着 → 12:51発

12:56着 → 13:01発

13:14着 → 13:22発

13:23着 → 13:26発

13:33着 → 13:36発

13:45着 → 13:51発

13:56着 → 14:01発

14:14着 → 14:21発

14:23着 → 14:26発

14:34着 → 14:41発

14:45着 → 14:51発

14:56着 → 15:01発

15:15着 → 15:21発

15:23着 → 15:26発

15:26着 → 15:31発

15:34着 → 15:41発

15:45着 → 15:51発

15:56着 → 16:01発

16:14着 → 16:21発

16:22着 → 16:26発

16:28着 → 16:31発

16:33着 → 16:36発

16:45着 → 16:51発

16:49着 → 16:58発

16:53着 → 16:58発

17:03着 → 17:06発

17:07着 → 17:11発

17:17着 → 17:21発

17:28着 → 17:31発

17:35着 → 17:41発

17:45着 → 17:53発

17:55着 → 18:01発

18:00着 → 1806発

18:06着 → 18:12発

18:18着 → 18:21発

18:24着 → 18:31発

18:30着 → 18:36発

18:48着 → 18:51発

18:53着 → 18:56発

19:00着 → 19:06発

19:07着 → 19:11発

19:18着 → 19:21発

19:35着 → 19:41発

19:50着 → 19:56発

19:54着 → 20:01発

20:01着 → 20:06発

20:13着 → 20:16発

20:20着 → 20:28発

20:30着 → 20:33発

20:39着 → 20:44発

20:47着 → 20:50発

20:56着 → 21:02発

21:07着 → 21:14発

21:15着 → 21:21発

21:25着 → 21:33発

21:31着 → 21:40発

21:46着 → 21:53発

21:56着 → 21:59発

22:05着 → 22:14発

22:21着 → 22:30発

22:38着 → 22:46発

22:53着 → 23:03発

23:11着 → 23:22発

23:24着 → 23:31発

23:33着 → 23:42発

23:41着 → 23:52発

23:57着 → 0:02発

0:21着 → 0:27発

結論

ほとんどの列車で色がついていて、接続は考慮されていないことがわかります。とはいっても、緩行線は5分に一本運転されていて、3分の乗り換えで計算しているので、確率的には5分の3で色がつくことになります(笑)。待ち時間ゼロまたは1分程度で緩行線が来るタイミングはあまり多くはないことがわかりました。対面乗り換えではないので、乗り換え時間がかかってしまうことはネックと言えるでしょう。対面乗り換えにしようとしても、コストの面と、また、緩行線快速線では10両と15両で編成の長さが違うため、この点でも難しいのだと思います。電車に乗っている時間より乗り換え時間がの方が長く感じてしまうものなんですよね。荷物を持っていない日は、緑色がついている、2分乗り換えにチャレンジしたほうが良いと思いました。

 

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相鉄東急直通線開業1周年! ~3路線への直通は正しかったのか?~

2024年3月18日、相鉄東急新横浜線が開業一周年を迎えます。相鉄はJRと東急2つの路線で都心直通を行うようになったのです。直通が始まる前までは関東の大手私鉄の中で唯一都心へ乗り入れていなかったので、相鉄の悲願が達成したことになります。東急線への直通は、日吉駅から東急目黒線または東急東横線に直通するため、相鉄は3路線へ直通していることになります。3路線も直通先を作ることは正しいのか、考えていきます。

JR線へ直通している相鉄の列車

 

 

ダイヤについて考える

相鉄線の都心直通の列車は日中だと毎時6本、10分に一本運転されています。JR線への直通列車、東横線への直通列車、目黒線への直通列車がそれぞれ毎時2本ずつの運行となっています。ということは、同じ方面に行く列車は30分待たないと来ないのです。もちろん東急線内は、目黒線から東横線またはその逆を対面乗り換えで行うことができるので便利です。一方JR線は、JR線に直通する列車に乗り途中から東急線の電車に乗るといったことはできません。羽沢横浜国大駅で10分後の次の列車に乗る必要があります。

もし直通する路線が目黒線だけであったと考えてみましょう。線路的には目黒線と新横浜線の線路がつながるので非常にわかりやすいです。毎時6本直通列車が運転され、東横線方面に行く人は途中駅で乗り換えるということになります。対面乗り換えができ、乗り換えの列車のダイヤを同時到着同時発車にすることは簡単ですので、非常に便利になると思います。利用者からみてもわかりやすく、どこかでダイヤ乱れが発生した際も影響は小さくて済むでしょう。一方対面乗り換えといえど乗り換えが必要になり、心理的負担のことも考えられます。筆者は、相鉄が「それぞれの方面に行く乗客が、運が良いと乗り換えなしの列車に乗ることができ、そうでなかったとしても以前の横浜駅での乗り換えのときよりは便利な乗り換えになるようにする」という方針であると考えました。

 

JR線に直通することは正しかったのか?

先ほど、相鉄の会社は「それぞれの方面に行く乗客が、運が良いと乗り換えなしの列車に乗ることができ、そうでなかったとしても以前の横浜駅での乗り換えのときよりは便利な乗り換えになるようにする」という方針のもとでダイヤを制作したのであろうと述べました。もちろん相鉄線からJRに乗り換える人からしたらとても便利になったとは思いますが、いくつか問題点があります。そもそもJR直通線は30分に一本しかないこと、この列車を運転しているせいで羽沢横浜国大から新横浜の電車の間隔がよくないことです。どういうことかというと、10分に一本都心への直通列車を運転しますが、JR線直通の列車は途中の羽沢横浜国大から抜けるので、その列車があいた分のところの電車の間隔が20分となってしまうのです。羽沢横浜国大から新横浜の列車の間隔が10分、20分の繰り返しとして運転されているのです。この二つが、ダイヤ上の主なデメリットと言えるでしょう。この点を考えればすべてを東急線直通にした方がいいですが、JR線直通を望む利用者もいるため、悩ましいところです。

相鉄は、都心へ直通する列車を設定することが悲願であったので、いろいろな会社と交渉してきた結果、JRと東急どちらもに直通するという珍しい形態となってしまいました。そして現在、JR東日本から見ると、武蔵小杉から新宿までの本数を、湘南新宿ラインの日中毎時4本だけではライバルの東横線に勝てないため、相鉄からの列車も設定することでまかなっているという現状があります。JR東日本にとっては、相鉄直通線はメリットが大きいのです。会社のパワーとしてJR東の方が上なため、この現状は変わらないでしょう。

 

東横線への直通は正しかったのか?

次は、東横線への直通が正しかったのかを考えていきます。相鉄の会社側からすると、渋谷や新宿三丁目、池袋まで乗り換えなしで行けるというのはとても大きく、絶対に直通させたかったでしょう。東横線は、おおむね15分のパターンダイヤとなっているため、直通列車を毎時4本にすることはできなくはないのかもしれません。ですが東横線はそもそも本数が多いのが現状なので、よっぽど需要が増えない限りは現状維持だと思われます。一番の問題は、東横線経由で他社路線からの遅延をもらってきてしまうことです。東横線東京メトロ副都心線に直通し、副都心線東武東上線西武池袋線に直通しているため、路線網が超広大です。よって遅延を拾ってきやすいのです。鉄道ファンからすると遅延の問題や乗り間違え防止といった観点から目黒線へのみ直通してほしかったなと思いますが、これらのデメリットよりも、渋谷などへ直通できるといったメリットが大きいという判断を会社はしたのだと思います。また東急からみても、渋谷などから新横浜まで乗り換えなしでいけるということはとても大きいメリットなのだと思いました。

 

今のダイヤを改善するには

現状のダイヤの問題点として筆者がすごく感じるのは、先ほども述べましたが、羽沢横浜国大から新横浜までの区間の列車間隔が均等になっていないことです。この20分あいてしまっているところに、相鉄線側で新横浜を終点とする列車を設定してほしいなと思いました。これが解消されれば、「それぞれの方面に行く乗客が、運が良いと乗り換えなしの列車に乗ることができ、そうでなかったとしても以前の横浜駅での乗り換えのときよりは便利な乗り換えになるようにする」という目標はほぼ完全に達成されると筆者は思います。開業から一周年、これからも相鉄東急新横浜線が発展していってほしいなと思いました。

 

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京葉線と総武快速線、どちらか速いのか

京葉線総武快速線はどちらも東京から千葉方面を結んでいますが、どちらか速いのでしょうか。「速い」といっても定義はたくさんあります。最高速度なのか、平均速度なのか、所要時間なのか。乗客からみて一番気にするのは所要時間なので、京葉線総武快速線の所要時間の差を見ていきます。なお今回は、どちらもの路線が走る東京~蘇我駅間を比較対照として、また東京近辺での他路線への乗り換えといった便利さは考慮しないものとします。

京葉線総武快速線が走るエリアの地図(Wikipediaより)

 

 

総武快速線営業キロ、所要時間、平均速度

ではまず総武快速線から見ていきます。蘇我から東京までの内房線総武快速線を組み合わせた営業キロは、43.0キロでした。蘇我から東京へは直通列車が日中は一時間に一本あり、所要時間は49分です。内房線からの列車は市川駅成田エクスプレスに追い越しされることが多いため、この点は京葉線と比べて時間ロスとなっているでしょう。平均時速は、約53キロでした。

総武快速線横須賀線系統の新型車両E235系

京葉線営業キロ、所要時間、平均速度

次に京葉線を見ていきます。営業キロはなんど総武快速線経由と同じで43.0キロでした。同じというのは驚きました。次に所要時間です。京葉線は種別があるので、種別ごとに見ていきます。平日の日中の快速は毎時2本ですが、休日になると舞浜や海浜幕張からの需要にこたえるため快速は4本になります。その関係で、平日に蘇我を出発する京葉線は各駅停車快速それぞれ毎時2本、休日は快速が毎時4本というかたちになっています。快速の蘇我から東京の所要時間は41分です。総武快速線経由より速いです。成田エクスプレスの追い越しがなかったとしても京葉線の方が速いのです。総武快速線の最高速度は120キロですが京葉線は100キロしか出しません。筆者の体感として京葉線の方が速いという感覚はありましたが、それは京葉線の方が直線的に走るからかなと思っていました。途中の停車駅数は京葉線が9駅、総武快速線が10駅とあまり大差はありません。しかし営業キロはどちらも同じで、それでも京葉線の速いというのが驚きでした。参考までにですが蘇我駅を毎時05分に出発する列車は所要時間が46分で5分も通常より時間がかかります。おそらく各駅停車の追い越しの関係だと思われます。また平日の各駅停車の所要時間は51分程度であり、快速より10分ほど長いことがわかります。平均時速は、快速が約63キロ、各駅停車が約50キロです。京葉線の平均時速は、総武快速線と比べて10キロも速いのです。

京葉線E233系 通勤快速はまもなく消滅してしまう

 

東京から蘇我は、どちらが便利なのか

では最後に東京から蘇我の移動はどちらが便利なのかを考えてみましょう。まず蘇我から東京に移動する場合ですが、休日の場合は京葉線一択でしょう。総武快速線直通の列車は日中は毎時33分発ですが、その2分後に京葉線快速が出発しています。平日の場合は京葉線快速は30分に一本しかないので、京葉線に乗れたら京葉線に乗り、そうでなかったら千葉方面の来た列車に乗り東京方面に向かうとよいでしょう。そして東京から蘇我間なのですが、東京駅の京葉線ホームはすごく遠いため、歩いているときに電車が出発してしまい間に合わなかったというパターンも考えられます。乗り換え検索アプリが必須ですが、時間に注意したうえで、京葉線快速が来る場合はそれに乗り、そうでない場合は総武線快速に乗るのがよさそうです。急いでいないのであれば、歩く距離が短い分総武快速線の方が便利でしょう。何をもって便利とするかは人それぞれですので、この区間をよく使っている方は、どちらか使い勝手が良いのか、自分で考えてみると面白いと思います。

総武快速線横須賀線系統のE217系 新型車両に置き換えられ、どんどん数が減っている

 

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川口駅停車からわかる上野東京ラインと湘南新宿ラインの問題点

京浜東北線しか止まらない埼玉県川口駅に、中距離電車上野東京ラインが停車する見通しとなりました。この停車の議論は以前から行われているものの、停車が決定することはないのではと多くの人が考えていたと思います。そう考えられる理由として、京浜東北線との遠近分離を行うため、上野東京ライン湘南新宿ライン川口駅以北からの速達性向上などが挙げられます。この考え方と逆行して停車する見通しとなったことは、川口市の強い要請などがあったと思われ、駅のスペース的に上野東京ライン湘南新宿ラインどちらもにホームを設置することは困難であり、上野東京ラインのみの停車となるそうです。こうなった理由として上野東京ラインの方が本数が多いこと、将来的に羽田空港アクセス線上野東京ラインとの直通なども視野に入れたことが挙げられます。ここまでいろいろ前提となる部分を書きましたが、川口駅停車からわかる上野東京ライン湘南新宿ラインの問題点を考えていきます。

上野東京ライン湘南新宿ラインに使われるE233系 鶴見駅にて

 

 

1.上野東京ライン湘南新宿ライン、方向別の線路でない

まず一つ目に挙げられるのが、上野東京ライン湘南新宿ラインは方向別の線路ではないことです。赤羽駅から大宮駅まで、東京や新宿方面の列車が来るホームと宇都宮や高崎方面の列車が来るホームで分けた方が圧倒的に利用者にとってわかりやすいです。例えば赤羽駅から大宮駅まで移動するとき、現在は、次に来る列車の時刻をどちらも調べて最初に来る電車に乗る必要があります。それが方向別の線路になった場合、とりあえず大宮方面のホームに行き、最初に来た電車に乗ればよいのです。しかし問題点もあります。それが川口駅の予定される新ホームやさいたま新都心駅です。もし方向別の線路にした場合、両方にホームを設置する必要が出てきます。さいたま新都心駅は隣が大宮駅であり貨物関係の配線が複雑であることから、相当難しいでしょう。また今少し触れた貨物列車の問題もあります。貨物列車は湘南新宿ラインの線路を走ります。湘南新宿ライン上野東京ラインと比べて本数が少なく日中は毎時4本しかありませんから貨物を走らせられるのですが、方向別の線路にすると上野東京ラインと車両がミックスされるわけであって、貨物列車をどこの線路に走らせるのかの検討が必要になります。方向別の方が利用者にとってわかりやすいですが、それはそれで問題となってきてしまうのでしょう。

 

2.湘南新宿ラインの本数が少ない

二つ目は、湘南新宿ラインの本数が少ないことが挙げられます。上野東京ライン湘南新宿ラインは大宮以北で、宇都宮線高崎線という分かれ方に変わるわけであって、そのときにパターンダイヤの間隔を短くしようとすると、上野東京ライン湘南新宿ラインの本数を同じまたは2倍の差といった数にする必要があります。現在の日中のダイヤは上野東京ラインが毎時6本で湘南新宿ラインが毎時4本なので、湘南新宿ラインの本数を毎時6本にすればパターンダイヤの間隔を10分間隔にすることができます。とはいっても特別快速などの運用がありますから30分間隔になるとは思いますが。現在の間隔は一時間なので、湘南新宿ラインを増発した方がダイヤ作成の観点からもメリットが大きいでしょう。一方で山の手貨物線の線路容量がひっ迫するなどの問題点もあるでしょう。

 

まとめ

川口駅上野東京ラインが止まる見通しになりましたが、湘南新宿ラインではなく上野東京ラインが停車することになった背景事情とその問題点、考察しがいがあると思います。路線網が広大であったり遅延しやすかったり、いくらでも深く考察できそうな路線だと感じました。

 

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