相鉄東急直線は、2024年3月18日、開業1周年を迎えます。これまで都心に行くには横浜駅を経由する必要がありましたが、直通する路線が開業したことで、乗り換えなしに、また所要時間を短縮して都心に向かうことができるようになりました。相鉄にとって「悲願」と言えることが達成したのです。その都心直通の効果はどれくらいなのでしょうか。
調査範囲
調べるダイヤは2024年3月のダイヤとし、各主要駅からの所要時間を調べていきます。どこの区間を調べるとより正確な時間が出てくるのだろうと思いましたが、JR直通線は新宿まで、東京方面に乗り換える場合は東京駅まで、東急線に直通する場合は渋谷まで、都営三田線に直通する場合は大手町駅まで、東京メトロ南北線に直通する場合は永田町駅までを調査範囲としました。また通勤時間帯、朝ラッシュ時の上りのダイヤを基にしました。
西谷駅から東京都心
西谷~新宿 直通線:43分 横浜経由:53分
西谷~東京 直通線:41分 横浜経由:45分
西谷~渋谷 直通線:41分 横浜経由:52分
西谷~大手町 直通線:58分 横浜経由:54分
西谷~永田町 直通線:53分 横浜経由:58分
西谷からの時間短縮効果は、おおむね5分~10分程度でした。渋谷や新宿、池袋などの副都心方面には10分程度の短縮が、品川や東京(ここでは上野は除く)の都心へは5分程度の短縮がされていました。西谷から二俣川の区間は、相鉄本線といずみ野線どちらもが走行するため本数が非常に多く、直通線を使うにあたって非常に便利になっています。行き先がたくさんあると、どうしても同じ行き先の電車の本数は少なくなってしまいますが、この区間が相鉄線を使うにあたって一番便利と言えるのかもしれません。
海老名駅から東京都心
海老名~新宿 直通線:1時間6分 小田急線:53分
海老名~東京 直通線:1時間8分 横浜経由:1時間7分
海老名~渋谷 直通線:1時間1分 小田急線と井の頭線:57分
海老名~大手町 直通線:1時間25分 横浜経由:1時間17分
海老名~永田町 直通線:1時間14分 横浜経由:1時間22分
海老名から都心へは、小田急線がとても強い。代々木上原で千代田線に対面乗り換えができるため、この点も強いのです。一方で相鉄の都心直通は、乗り換えなしでいろいろなところに行けるというのがメリットでしょう。海老名駅は始発であるため、ゆっくりであっても乗り換えなしで座って通勤できるのであれば相鉄線を選ぶ人も多いのだと思います。
湘南台から東京都心
湘南台~新宿 直通線:1時間8分(直通線だけど乗り換えあり) 小田急線:1時間2分
湘南台~東京 直通線:1時間10分 横浜経由:1時間3分
湘南台~渋谷 直通線:1時間8分 戸塚経由:59分
湘南台~大手町 直通線:1時間18分 戸塚経由:1時間4分
湘南台~永田町 直通線:1時間21分 戸塚経由:1時間9分
湘南台から都心へも、先ほどと同様に小田急線がかなり強いです。一方戸塚経由の所要時間がとても短く、戸塚経由とは、横浜市営地下鉄ブルーラインで戸塚まで行き、そこから上野東京ラインまたは湘南新宿ラインに乗るルートです。この二つの路線は、スピードがとても速いんですよね。湘南新宿ラインはスピードが速いといっても少し遠回りしているのですが、上野東京ラインは他の路線と比べてもかなり速いです。これは、西谷から都心への所要時間を見たときに副都心側の方が都心直通の効果が強かった理由にもなります。いくら東京方面に直通している列車がないとはいえ、武蔵小杉で3分後の列車に乗ればいいので、大きく所要時間の差は生まれないはずです。それでも所要時間の差が生まれている、それは上野東京ラインの速度が相対的にも早いことに起因しているのだと考えられます。
まとめ
いろいろなパターンで見てきましたが、相鉄都心直通の時短効果を一言でまとめるのなら、「おおむね5分から10分程度の時間短縮効果がある」ということです。海老名駅の乗り換えに必要な時間は6分となっていますが、あの人混みの中乗り換えるのは大変です。所要時間が長くなってしまう区間であっても、筆者は都心直通線を使い乗り換えなしで、または対面乗り換えを使った通勤をするだろうと思いました。
このブログを気に入ってくれた方は、以下のリンクをクリックしていただけると嬉しいです。