ダイヤ鉄K

関東に住んでいて、ダイヤに詳しい鉄道ファンです。

相鉄東急直通線開業1周年! ~3路線への直通は正しかったのか?~

2024年3月18日、相鉄東急新横浜線が開業一周年を迎えます。相鉄はJRと東急2つの路線で都心直通を行うようになったのです。直通が始まる前までは関東の大手私鉄の中で唯一都心へ乗り入れていなかったので、相鉄の悲願が達成したことになります。東急線への直通は、日吉駅から東急目黒線または東急東横線に直通するため、相鉄は3路線へ直通していることになります。3路線も直通先を作ることは正しいのか、考えていきます。

JR線へ直通している相鉄の列車

 

 

ダイヤについて考える

相鉄線の都心直通の列車は日中だと毎時6本、10分に一本運転されています。JR線への直通列車、東横線への直通列車、目黒線への直通列車がそれぞれ毎時2本ずつの運行となっています。ということは、同じ方面に行く列車は30分待たないと来ないのです。もちろん東急線内は、目黒線から東横線またはその逆を対面乗り換えで行うことができるので便利です。一方JR線は、JR線に直通する列車に乗り途中から東急線の電車に乗るといったことはできません。羽沢横浜国大駅で10分後の次の列車に乗る必要があります。

もし直通する路線が目黒線だけであったと考えてみましょう。線路的には目黒線と新横浜線の線路がつながるので非常にわかりやすいです。毎時6本直通列車が運転され、東横線方面に行く人は途中駅で乗り換えるということになります。対面乗り換えができ、乗り換えの列車のダイヤを同時到着同時発車にすることは簡単ですので、非常に便利になると思います。利用者からみてもわかりやすく、どこかでダイヤ乱れが発生した際も影響は小さくて済むでしょう。一方対面乗り換えといえど乗り換えが必要になり、心理的負担のことも考えられます。筆者は、相鉄が「それぞれの方面に行く乗客が、運が良いと乗り換えなしの列車に乗ることができ、そうでなかったとしても以前の横浜駅での乗り換えのときよりは便利な乗り換えになるようにする」という方針であると考えました。

 

JR線に直通することは正しかったのか?

先ほど、相鉄の会社は「それぞれの方面に行く乗客が、運が良いと乗り換えなしの列車に乗ることができ、そうでなかったとしても以前の横浜駅での乗り換えのときよりは便利な乗り換えになるようにする」という方針のもとでダイヤを制作したのであろうと述べました。もちろん相鉄線からJRに乗り換える人からしたらとても便利になったとは思いますが、いくつか問題点があります。そもそもJR直通線は30分に一本しかないこと、この列車を運転しているせいで羽沢横浜国大から新横浜の電車の間隔がよくないことです。どういうことかというと、10分に一本都心への直通列車を運転しますが、JR線直通の列車は途中の羽沢横浜国大から抜けるので、その列車があいた分のところの電車の間隔が20分となってしまうのです。羽沢横浜国大から新横浜の列車の間隔が10分、20分の繰り返しとして運転されているのです。この二つが、ダイヤ上の主なデメリットと言えるでしょう。この点を考えればすべてを東急線直通にした方がいいですが、JR線直通を望む利用者もいるため、悩ましいところです。

相鉄は、都心へ直通する列車を設定することが悲願であったので、いろいろな会社と交渉してきた結果、JRと東急どちらもに直通するという珍しい形態となってしまいました。そして現在、JR東日本から見ると、武蔵小杉から新宿までの本数を、湘南新宿ラインの日中毎時4本だけではライバルの東横線に勝てないため、相鉄からの列車も設定することでまかなっているという現状があります。JR東日本にとっては、相鉄直通線はメリットが大きいのです。会社のパワーとしてJR東の方が上なため、この現状は変わらないでしょう。

 

東横線への直通は正しかったのか?

次は、東横線への直通が正しかったのかを考えていきます。相鉄の会社側からすると、渋谷や新宿三丁目、池袋まで乗り換えなしで行けるというのはとても大きく、絶対に直通させたかったでしょう。東横線は、おおむね15分のパターンダイヤとなっているため、直通列車を毎時4本にすることはできなくはないのかもしれません。ですが東横線はそもそも本数が多いのが現状なので、よっぽど需要が増えない限りは現状維持だと思われます。一番の問題は、東横線経由で他社路線からの遅延をもらってきてしまうことです。東横線東京メトロ副都心線に直通し、副都心線東武東上線西武池袋線に直通しているため、路線網が超広大です。よって遅延を拾ってきやすいのです。鉄道ファンからすると遅延の問題や乗り間違え防止といった観点から目黒線へのみ直通してほしかったなと思いますが、これらのデメリットよりも、渋谷などへ直通できるといったメリットが大きいという判断を会社はしたのだと思います。また東急からみても、渋谷などから新横浜まで乗り換えなしでいけるということはとても大きいメリットなのだと思いました。

 

今のダイヤを改善するには

現状のダイヤの問題点として筆者がすごく感じるのは、先ほども述べましたが、羽沢横浜国大から新横浜までの区間の列車間隔が均等になっていないことです。この20分あいてしまっているところに、相鉄線側で新横浜を終点とする列車を設定してほしいなと思いました。これが解消されれば、「それぞれの方面に行く乗客が、運が良いと乗り換えなしの列車に乗ることができ、そうでなかったとしても以前の横浜駅での乗り換えのときよりは便利な乗り換えになるようにする」という目標はほぼ完全に達成されると筆者は思います。開業から一周年、これからも相鉄東急新横浜線が発展していってほしいなと思いました。

 

このブログを気に入ってくれた方は、以下のリンクをクリックしていただけると嬉しいです。

www.tetsudo.com