ダイヤ鉄K

関東に住んでいて、ダイヤに詳しい鉄道ファンです。

川口駅停車からわかる上野東京ラインと湘南新宿ラインの問題点

京浜東北線しか止まらない埼玉県川口駅に、中距離電車上野東京ラインが停車する見通しとなりました。この停車の議論は以前から行われているものの、停車が決定することはないのではと多くの人が考えていたと思います。そう考えられる理由として、京浜東北線との遠近分離を行うため、上野東京ライン湘南新宿ライン川口駅以北からの速達性向上などが挙げられます。この考え方と逆行して停車する見通しとなったことは、川口市の強い要請などがあったと思われ、駅のスペース的に上野東京ライン湘南新宿ラインどちらもにホームを設置することは困難であり、上野東京ラインのみの停車となるそうです。こうなった理由として上野東京ラインの方が本数が多いこと、将来的に羽田空港アクセス線上野東京ラインとの直通なども視野に入れたことが挙げられます。ここまでいろいろ前提となる部分を書きましたが、川口駅停車からわかる上野東京ライン湘南新宿ラインの問題点を考えていきます。

上野東京ライン湘南新宿ラインに使われるE233系 鶴見駅にて

 

 

1.上野東京ライン湘南新宿ライン、方向別の線路でない

まず一つ目に挙げられるのが、上野東京ライン湘南新宿ラインは方向別の線路ではないことです。赤羽駅から大宮駅まで、東京や新宿方面の列車が来るホームと宇都宮や高崎方面の列車が来るホームで分けた方が圧倒的に利用者にとってわかりやすいです。例えば赤羽駅から大宮駅まで移動するとき、現在は、次に来る列車の時刻をどちらも調べて最初に来る電車に乗る必要があります。それが方向別の線路になった場合、とりあえず大宮方面のホームに行き、最初に来た電車に乗ればよいのです。しかし問題点もあります。それが川口駅の予定される新ホームやさいたま新都心駅です。もし方向別の線路にした場合、両方にホームを設置する必要が出てきます。さいたま新都心駅は隣が大宮駅であり貨物関係の配線が複雑であることから、相当難しいでしょう。また今少し触れた貨物列車の問題もあります。貨物列車は湘南新宿ラインの線路を走ります。湘南新宿ライン上野東京ラインと比べて本数が少なく日中は毎時4本しかありませんから貨物を走らせられるのですが、方向別の線路にすると上野東京ラインと車両がミックスされるわけであって、貨物列車をどこの線路に走らせるのかの検討が必要になります。方向別の方が利用者にとってわかりやすいですが、それはそれで問題となってきてしまうのでしょう。

 

2.湘南新宿ラインの本数が少ない

二つ目は、湘南新宿ラインの本数が少ないことが挙げられます。上野東京ライン湘南新宿ラインは大宮以北で、宇都宮線高崎線という分かれ方に変わるわけであって、そのときにパターンダイヤの間隔を短くしようとすると、上野東京ライン湘南新宿ラインの本数を同じまたは2倍の差といった数にする必要があります。現在の日中のダイヤは上野東京ラインが毎時6本で湘南新宿ラインが毎時4本なので、湘南新宿ラインの本数を毎時6本にすればパターンダイヤの間隔を10分間隔にすることができます。とはいっても特別快速などの運用がありますから30分間隔になるとは思いますが。現在の間隔は一時間なので、湘南新宿ラインを増発した方がダイヤ作成の観点からもメリットが大きいでしょう。一方で山の手貨物線の線路容量がひっ迫するなどの問題点もあるでしょう。

 

まとめ

川口駅上野東京ラインが止まる見通しになりましたが、湘南新宿ラインではなく上野東京ラインが停車することになった背景事情とその問題点、考察しがいがあると思います。路線網が広大であったり遅延しやすかったり、いくらでも深く考察できそうな路線だと感じました。

 

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