ダイヤ鉄K

関東に住んでいて、ダイヤに詳しい鉄道ファンです。

祝! 宇都宮LRT開業1周年で分かった、LRTが地方都市へもたらす「3つの光」

2024年8月26日に芳賀・宇都宮LRTが開業1周年を迎え、前日の8月25日には開業1周年イベントが開催されました。当日は子育て世帯の方で賑わっていました。LRTなどの公共交通の目的は、環境負荷の軽減や沿線の市街地の活性化であり、都市計画や街づくりの一環として事業が行われています。

開業1周年イベントの際に筆者が実際に乗車してきて感じた、LRTが宇都宮市へもたらす「3つの光」について考えていきます。

宇都宮LRTのHU300形電車(宇都宮駅東口にて)

 

 

 

 

1, ネットワーク型コンパクトシティの達成し、経済成長

宇都宮市では、中心市街地や駅周辺、産業や観光に魅力がある地域などを拠点として集約(コンパクト化)し、それらを利便性の高い公共交通などで連携(ネットワーク化)していくネットワーク型コンパクトシティを目指しています。

ではネットワーク型コンパクトシティとは何でしょうか。

日本では全国的に、高度経済成長期に都市の過密化が問題視され、商業施設や役所、病院といった都市機能を郊外に移転していく政策がとられました。一方現在は人口減少が進み、また都市機能が郊外に移転したことから、中心市街地が寂れてしまうという問題に直面しています。この問題を解決するために、都市機能をまた中心市街地に戻し中心市街地を活性化させていく街づくりを、コンパクトシティと言うのです。コンパクトシティを達成するには、中心市街地までアクセスする公共交通がかかせません。地方は車社会であることが多く、渋滞するし地価が高い(=狭い)中心地の店舗へ行くより、空いていて広い郊外型の店舗に行こうと考える人が多いです。この理由は、地方都市にはあまり便利な公共交通は無いからであり、新たな公共交通機関と共に街づくりをしていくことを宇都宮市ではネットワーク型コンパクトシティと名付け、持続的な経済成長を支える基盤とするのです。

 

2, 人流の増加

ジオテクノロジーズは、宇都宮LRT開業後の人流を調査したところ、LRTの開業により宇都宮駅東口では最大250%人出が増加、路線沿線のショッピングモール「ベルモール」で最大120%の増加、LRT路線から徒歩20分圏内でも人出が大幅に増加したことがわかったそうです。人流が増加すれば、当然経済も活性化します。公共交通の中でも特にLRTは、最も人流を増加させる効果があるのでしょうか。バスよりも時間に正確で、また駅間が短いので現在の鉄道路線よりも目的地の近くまでアクセスできます。また宇都宮LRTは3両編成であり、地下鉄等に比べたら編成定員が少ないためそのぶん本数が増加し、便利であると感じるでしょう。道路を走っているので気軽に乗ることができますし、バリアフリーも達成しています。移動のしやすさを基準にすると、LRTが公共交通機関の中では最も高いと筆者は感じました。

 

 

 

3, 車を持っていない人へのサポート

先述の通り地方は車社会が基本であるため、まだ免許を持っていない若者や免許返納をした高齢者は、移動が非常に不便です。特に若者は、もっと交通の便が良いところに行きたいと考え地元を離れてしまうことも多いのではないでしょうか。便利な公共交通機関ができると、転出する人は減るでしょう。宇都宮市に移住してくる人が増えることも素晴らしいことですが、それ以上に転出する人が減るのは重要なことだと思いました。

 

まとめ

開業1周年を迎え、大盛況が続いている宇都宮LRT。宇都宮駅西側への延伸も計画されています。LRTが街のシンボルとなり、そして街を発展し続けてほしいと願っています。

 

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